ヴォーリズアカデミー第二章 学園の創設者ヴォーリズ夫妻の波瀾に満ちた人生を追います。
ヴォーリズとYMCA活動
YMCA(Young Men's Christian Association)とは
- 1844年にイギリスのロンドンで生まれる。
- 1851頃カナダ・北米(マサチューセッツ州ボストン市)に伝わる。
- 日本での創立は1880年(明治13年)。
- YMCAは心から青少年の健やかな心と身体の成長を願い、
彼らが本当に求めているものの実現に努力するとき、時代に先駆けた清新な息吹となる。
- したがって、YMCAは、その時代の青少年と共に常に前向きの姿勢で活動してきた。
YMCAの活動は社会に何らかの新風を吹き込んできたのである。
- YMCAは協会のような純粋な宗教団体ではなく、キリスト教信仰を土台として、青少年の個人と しての、また社会人としての成長を願い、その為に必要な諸活動を営む社会教育団体である。
- その根本精神は、新約聖書ヨハネによる福音書17章21節の言葉をモットーとしており、
特に青少年教育において、人間の精神(Spirit)、知性(Mind)、身体(Body)が調和のとれた成長を図 るためのプログラムを行っている。
ヨハネによる福音書17章21節
「父よ、あなたが、わたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。
彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。」(イエス・キリストの祈り)
ヴォーリズの学生時代(コロラド大学時代)
(1)コロラド大学での4年間はヴォーリズの人格形成に大きく影響を与えた。
- コロラド大学は、福音主義的キリスト教の基盤の上に、文科系と理工系の過程を併せ持つ小規模な がら調和のとれたよい大学であり、高い水準と自主的で自由な学風を誇っていた。
- 当時のコロラド大学学生YMCAは次のような活動方針を定め、熱心に活動しており、ヴォーリズはその会計係を担っていた(2年生の頃)。
- 1.学内でのクリスチャンキャラクターの発展とキリスト教の強化拡張を図る。
- 2.学内での助けを必要とするすべての学生を援助する。
- 3.新入生の世話をし、ガイドブックを発行する。また講演会、祈祷会等の学内集会を開催する。
- 4.定期的な聖書研究会を持つ。
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ヴォーリズはこの会計係をしていたことによりSVM(Student Volunteer Movement for Foreign Mission の略)のカナダ・ト ロントで開催された
第4回世界大会に代表として出席することに なり、大きな紙の召命を受けることになる。(“マッセイホールでの 「召命」から来日まで”で詳しく掲載)
(2)SVM(海外宣教学生奉仕団)とは
- ヴォーリズはYMCA活動のほかにこの活動に参加し、書記を務めていた。
- この団体はYMCAから派生した団体で、海外宣教のために生涯を捧げようとする学生の運動である。
1886年、Dwight L. Moody 氏によって開催されたマウントハーモン夏期学校によって始められたと言われている。
そこには西部へ向かうフロンティア精神の最後の信仰的輝きとも言うべき強烈な海外宣教意識があった。
この精神により、当時の大学生が海外宣教へ、アジアへと赴かせられる原動力となったのである。
- この運動のコンセプトは次のようである。
- 1.この組織の目的は、会員をして将来の働きに自分自身を適合させるのを助けること、及び伝道のために他の人々への関心を持つことを助ける点になる。
- 2.我々は肉体的(Physical)、知的(Mental)、霊的(Spiritual)な最高の発達は、生命の付与者(the Giver of Life)と接し、その目的に従って生きることによってのみ達成されると信じる。
- 3.これは自分自身のためだけでなく、人類のあらゆる階層と状況の中にいる人々に関わることなのである。
(3)まとめ
ヴォーリズは、デンバーでの高校時代に建築への興味に目覚め、将来建築家になる決意を固めており、
マサチューセッツ工科大学の入学許可を得ていた。しかし、コロラド大学で1年学んでから転入学できるという好条件を与えられていたことや、教授のアドバイス、家庭の事情によりコロラド大学に入学することになったのである。
コロラド大学在学中の学びは単なる学業だけだなく、課外活動(すなわち1・2で述べたこと)と、ヴォーリズの特性の一つである徹底した合理主義と実務性が、すべて彼の生涯に大きく影響していくのである。このことは、彼自身が自叙伝で述べているとおりである。
また、常日頃、人の生き方として、G(God)、N(Neighbor)、S(Self)を逆三角形の形に当てはめて人々に伝えていた。彼は、まず神を第一に考え、次に隣人のこと、そして自分自身のことを考えるような生き方が大切だと信じていたのである。
『ヴォーリズ評伝』(奥村直彦著)2005年(平成17年)を参考資料とし、一部引用